【経営】なぜ、関東エリアの業績は、コロナ禍においてもアップしたのか?

戦略/マーケティング/リーダーシップ
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2020年、コロナが世界を襲いました。
今は2024年ですから、早いもので4年経ちます。
わたしが経営に携わっているコスメのリアル店舗販売、という業種は、
大変苦戦を強いられました。

しかしながら、わたしたち関東エリアは、
売上を回復し、利益も最高を更新するなど、業績を伸ばすことができました。

なぜこういった結果を出すことが出来たのか、について書いてみたいと思います。

なぜ業績が上がったか?

コロナ禍など、ピンチの捉え方

読者の方々は、ゴルフをするだろうか。

日没でもゴルフ!

私は、浪人中にゴルフを始めた。
センター試験があったので、それをサボって、コースデビューした。

ん?

理屈がおかしいぞ?

それはまた別の記事で(笑)

プレイの前日。
天気予報は、雨。
明日は年に1回のコンペである。

そういう時に、皆さんはどう捉えるだろうか?

「明日は、雨か」
「せっかくゴルフするんだから、晴れがよかったなぁ」
「地面がぬかるんでるから、打つのがめっちゃムズい」

なんて考えませんか?

確かに、高いカネ払って、早起きして、車出して、1日中原っぱ駆けずり回って。
なんで雨なんよ、と。

おれ、何か悪いことしたか?ってなるかもしれない。

こんなの修行じゃんって。

修行してるっぽい人

たしかに、そうだと思う。昔の僕も、そうだった。

でも、ここで、考え方を変える、つまり「リフレーミング」をしてみたい。

どう変えるか?

それは、


「条件はみんないっしょ。だったら、うまくやった奴が勝つ!」

である。

ゴルフは、言うまでもなくゲームだ。
そして勝者と敗者が存在する。
だったら、その範囲の中で勝てばいい。
条件は一緒なのだから。

そういうふうに考えるのだ。

対して、経営はどうか。

経営は勝者以外も勝者になり得る。

であれば、営業利益を出すことをゴールとする経営は、
やっぱり「晴れ」、つまり条件や環境がととのっている方がいいのではないか。

上記の疑問に対して、私の考えを述べたいと思う。

業界KSFの導出

ゴルフのように、閉鎖的なルールの中でプレイするゲームならまだしも、
経営、ということになると、条件がよいほうが勝てるのではないか。
だって、勝者は複数いるのが経営なんだから。

という疑問があると思うので、そこを説明したい。

それは、「経営の最終的な勝者は複数いるが、その勝ちへのプロセスには、勝者が一人もしくは少ない人数しかいない場所がある」ということだ。

例えば、我々の場合であれば、ショッピングセンターに出店をしているが、
好立地、という点では、数が少ない。人通りが多い場所、というのは限定されるのだ。

他にも、そういったことが、勝ちへのプロセス中にたくさんある。
そこをみていく必要がある。

そのプロセス中の場所ごとに、ゲームが行われているのである。

好立地をとるためにはどうすればいいか?
店の認知を上げるためにはどうすればいいか?
離職率を抑えるにはどうすればいいか?

このあたりのところで、勝ち負けが発生する場所が出てくるのである。

では、どういう時に勝ち負けが発生するか?
それは「リソース」が限定されている時、である。

ゴルフの場合ならば、優勝賞金、である。優勝賞金は限定されている。
一位の人がそれを獲れば、もうその賞金はない。そういう場合だ。

好立地などは、まさにコレ。

一方で、店の認知度を獲得する、ということだとどうだろう。
これだと、リソースが限定されていない。
なぜなら認知度は、人間がどの程度それを知っているかどうかだからだ。

人間は無数に存在する。
もちろんそういう意味では無数ではないが、ものすごく数が多い、という意味だ。

そういうふうにした時に、どこからどのようにリソースをとってくるか。
そして付加価値、つまり利益をのっけていくか。

これが経営である。

我々は基本的に、メーカーからブランドを取り扱わさせていただき、
それを販売することをビジネスの主幹としている。

したがって、メーカーから有限のリソースを当社に投資してもらうことが、
競争優位構築のポイントである。
それらは支店で管理されており、予算があるため、このリソースは有限なのだ。

どうすれば、営業利益を出し続けられるか、つまり持続的な競争優位を構築できるか。
マイケル・ポーター氏のファイブフォース理論は、非常に参考になると思う。

とすれば、経営もゲームのように考えることができる。
どうすれば〇〇のリソースを勝ち取ることができるか、と変換できるからだ。

であれば、条件は一緒であり、雨が降っていようがコロナだろうが、
勝ちパターンが見えてくる。

腹落ち理論

ゴルフにおける雨であれ、コロナであれ、
(リソースを勝ち取るというゲームをするうえでは)条件は一緒なのである。

どうやってそのリソースを勝ち取ればいいのか。
例えば、コロナにおいて、どのようにメーカーからリソースを提供してもらえるようになるか。

これを実行していくことが、経営である。

ここで考えなければならない前提がある。

それは、

「メーカー」というのは概念に過ぎない、ということである。
メーカーとは何か。明確に範囲があるわけではない。
つまり、メーカーから投資してもらう、ということは概念にすぎない。

それだと曖昧である。そうではなくて、メーカーを「支店長」と考えてみる。
これならば、対策がしやすい。
要するに、リソースを振り分ける権限を持っている人のことである。

その支店長も、これまた概念だ。
支店長は、支店長の前に、人間である。

とすれば、この経営というゲームはやはり「人間同士」の動き方そのものなのである。

とすれば、その支店のボスなり権限を持っている人との人間同士の関わり合いを
どうしていくか。

ここを考える必要がある。

コロナなどの状況下では、不安がかなり大きくなっている。
その不安を取り除く、あるいは対処することができれば、その支店のボスは、
感謝の念を抱くだろう。

とすれば、やはり人間としては、お返しをしたくなるのである。

このように考えれば、つまりリフレーミングをすれば、
コロナ禍の不安が逆に経営にとってみればであるが、プラスになるのだ。

どうすれば不安を取り除けるか。

それは、腹落ちをさせることである。

不安とは未来のことであり、とすれば、どこまでいっても不確実である。
それに対応するには、「腹落ち」しかない。

つまり、納得性が大切である。

右の道と左の道、どっちへ進むべきか。

「右の道へ進みましょう。左の道は、◯◯と△△があり、危険です。一方右の道は、そちらへいったことがある人がいて、その情報によると、××です」

これが大切である。

この際、確実かどうかは関係ない。先の説明に納得できるかどうか、である。

間違っているかどうか、ではなく、納得できるかどうか。
納得できれば人は動くのである。

コロナ禍ではそうやって方針・指針を示し、実際に動くところが少なかった。
納得性をもたせ、決断し、実行すれば、不安はなくなるのである。
それが大きな推進力となっていた。

エンパワーメント

コロナ禍では、私が採用していた根本的な方針である「エンパワーメント」が火を吹いた。

情報を共有し、

1分間エンパワーメント

仕事の境界線を設定し、
訓練していく。

これをずっと前からやっていた。

だから、コロナになっても、各店舗は会社の指示以外のことも、率先して
自主的に動いたのである。

KPIを設定する

リソースが有限であり、それが確保するうえでは、ゲームのように考えられる。
そうやってリソースを獲得していく。

そして、当社のようなリアル店舗で重要なのは、人そのものである。

したがって、KPI(重要業績評価指標)に離職率をセットした。
コロナが明けたあとのことも考えて、人を辞めさせないようにした。

どのようにすれば、人間が辞めないか。徹底的に考えて実行した。

推進すること

今までのものは、戦略面である。
経営は戦略のみでは成り立たない。

頭の中を形にしていく。

どうやってやんのよ?

それを示すことにしてみる。

隆象
隆象

頭で考えるだけじゃ、だめ。人間がやることだから。結局一人ひとりがどのように動くのか。これをどうコントロールするかが大事なんですよね

足繁く通うこと

足繁く通う。つまり、リアル店舗で働く人に、めちゃくちゃ会いに行った。
感情論理というのがあるが、これを実践した形となる。

感情は、遠くに伝播しない

世界標準の経営理論

コロナ禍直後は特に、店頭の社員は不安だったと思う。
実際に、コロナに罹れば最悪の場合、命にかかわる。

そんなときに、店を開けて運営する。
社員全員が同じ意見というわけでもない。
比較的不安感のない社員もいれば、例えば家に基礎疾患がある方がおられるなら、
不安がかなりあったはずだ。もちろん当人は言うまでもなく、である。

であるがゆえに、私もリーダーとして、店に多く行った。
そこで何の話をするでもなく、自分の纏っている空気感を伝えるためだけに。
また、取引先にも多くあった。

とにかくメッセージを出していきながら、不安を取り除き、そしてコロナが必ず明け、
その準備をしていくというメッセージを出していった。

やはりこういうときにはVISIONが大切になると思う。
合っているかどうかよりも、この方向を目指そう、と発信していくことが大切だと思う。

ぶつかり合い

お互いにそういう中でやっているわけであるから、当然、本気でぶつかりあった。
単純化してしまえば、

【健康】か【商売】か
あるいは
【個人】か【会社】か

ということだったと思う。
ただ、これはつながっている。

実際に稼いで給料をもらわなければ生活できない。
しかしながら働くということは、コロナに罹る恐れがあるのである。

こうした、矛盾や二律背反をどうやって乗り越えるか。
そこがリーダーシップということだと思う。

リーダーシップ

こういう、不確実性の高い時、あるいはピンチの時。

僕はリーダーシップを問われると思う。

この時期に社内ブログを始めたが、最初の方の記事で、
ルパン三世
を書きました。

助けられたぜ!!

ピンチにも動じず、逆にユーモアに転じること。
これが大切だと思う。

とりあえずピンチになったら笑い飛ばす。
まぁ、色々あるけど、頑張っていこうぜ、と。

そういう気分が大切だ。


今日の書斎

相対的に勝つことで、ファイブフォース上の優位を築き、売り手や買い手に対して競争優位を保つ。そうすることでリソースを確保できる。
そのうえで、筋のいいKPIをセットし、それを負い続けていく。

ビジネスは人間相手であり、感情が極めて肝要である。
その感情を伝播させるため、足繁く店に通い、不安を取り除く。

そのうえで、間違っていてもいい、納得性の高いプランや戦略を立案し、
メーカーを巻き込んで、実行していく。

最後はユーモアに笑う。

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