既存のビジネスについては、現状と理想のギャップを課題と捉え、
優先順位をセットして、つぶしていく、という過程で多くの改善が
できると思います。
一方で、新しいビジネスというのは、そもそも何もないところからなので、
それができないし、どうしても延長線上の考え方になってしまいますので、
違ったアプローチを取る必要があります。
既存ビジネスでは、前年比があります。新規ビジネスはそれがないです。
我々のような化粧品専門店ビジネスにおいて、勝ちパターンを形成する
ためにどういう戦略をとっていくか。
様々な勝ちパターンがあるなかで、どう考えていくのがよいか、考察しました。
戦う場所
経営をするうえで、勝ったところ以外は負けたところである。
この言葉は、半分は正しいが、半分は間違っている。
確かに、勝ったところ以外は、負けたところよ。それはそうさ。
でも、その言葉の中に、「勝者は一人」というニュアンスが見え隠れする。
したがって勝つとはなにか、を定義しなければならない。
勝つとは、営業利益を上げ続けることである。
そのうえで、上記の言葉を見直してみると、少しちがって見えてくる。
それは、勝ったところ以外も、やり方によっては勝てる、ということである。
ここの前提が、勝ったところ以外は負け、という表現について付け足ししたいところだ。
競技と違って勝者は一人ではなく、無数にいる。
しかも、戦いのルールを決めてよいのだ。
例えば、わたしたちのビジネスは、魅力的なブランドを集積し、
そこに付加価値をつけて販売する。
ラグジュアリーなブランドだったり、今人気のブランドだったり。
そういうものを集める。
小売店のリアルビジネスは、こちらが売りたいものを売ることができる、
ということであり、とすれば、利益率のよい商品を販売することができる。
そういうブランドを集めてきてもよい。
それらのブランドには特徴があり、うまく組み合わせることが可能である。
何について戦うか、どこで戦うか、どうやって戦うか?
これらを決めることができるのである。
レンジ(距離範囲)の話
例えば、かなり田舎の店があったとする。
我々のような化粧品専門店であれば、おそらくお客さまは近くにお住いの方々が、大半かもしれない。その範囲のお客様を相手に、固定費を払いながら運営し、
キャッシュが回っていけば、そのビジネスは成り立っている。
規模は小さいかもしれないが、それで十分「勝ち」である。
規模を大きくするには、レンジの考え方が大切になると思う。
つまり、たとえば希少価値の高いブランドがあるとする。
自店から20km圏内にまったく取り扱いのないブランド。
とすれば、それを買いに来るわけだから、必然的に商圏がひろがる、ということだ。
商圏が広がれば、ターゲットが一気に増える。
TAM(Total Addressable Market)が増える、とマーケティング的には言ったりするが。
小さい店であっても商圏をひろげることができれば、多くの集客が見込めると思う。
希少価値が高く、認知があるブランドは、そのブランドの売上高での貢献にとどまらない。
その商圏範囲をひろげてしまうことができるのである。
そうやって、規模や場所、ルールを決めて戦える。
その範囲の中で勝てばよい。
混乱したとき、不安定なときには、細かく切って考えると良いと思っている。
そのアイテムなり商圏なり顧客なりしきたりが、どのようなものであるのか。
それを押さえれば、そのゲームでの勝ちへの道筋が見えてくる。
それぞれには特徴があるので、それを組み合わせていって、利益を上げていく。
ただそのパワーの源は、どこまでいっても「エンドユーザーの支持」だと思います。
自店を磨きつづけるという前提があってこそ、そういった戦略が成り立つのですよね。
認知、ということだけでいえば、ネットがあるので、その範囲は無限になりましたね。
どう発信していけばいいのか、さらに考えを掘り下げようと思います。